空気―元素―
空気 ―元素―
俺にとってキャプテン、渋沢サンは空気のような人だ。
空気の中の酸素。
無ければ生きていけなくなる。呼吸ができなくなる。
だから渋沢サンは俺の酸素。
あの人さえいれば俺は生きていけると思う。
サッカーがなくなると生活できなくなるけど。俺はサッカー以外できないから。
でも、渋沢サンがいなくなったら生きていけない。
だから俺にとって大事なのは渋沢さん>サッカー。
渋沢サンがいるから生きていけるんだって今の俺にはよくわかる。
きっと俺がサッカー上手いのは、あの人の側にいる為。渋沢サンもすっげー上手いしね。
サッカーが俺と渋沢サンを繋げてくれてるんだ。サッカーがなくても側にいられるようになりたいけどさ。
結局俺にとっての一番は渋沢サン。家族には悪いけど。
だから俺の空気。俺の酸素だって。絶対。
逆に三上先パイは二酸化炭素かな。いらないんだよね。
だってさ。あのヒトがいると渋沢サンの心、殆んど持ってっちゃうんだ。
俺にとっての渋沢は空気のような存在。
何時も傍にある。
気が付かない時も、気が付いた時も傍にいる。
優しく包み込むタイプっての?
俺にはあいつが必要なんでと思う。だから酸素か?一度居心地の良さを知っちまったから、きっと、あいつなしじゃ、ツライ。
でも、勿論いつまでも依り掛かってるつもりはないし、俺だけが依り掛かってるとも思わねぇけど。
あいつにとってもトーゼン俺が酸素だろ。いなくなったら上手く呼吸できない。
だから今はしんどいな。奴は天才・・・どっかのバカと同じで、だから。努力なしで、本当は努力しまくってんの知ってけど。壁を越える。
俺はボンジンだから、努力しまくっても壁に当たる。勿論越えてやるけどな。他でもない俺のために。
俺と渋沢の今はサッカー。あいつはずっとサッカーだろう。きっとすぐプロになって華々しく活躍する。でも俺には無理だから。卑屈でもなんでもなく、知ってる。
俺は医者あたりになるんだよな。きっと。スポーツ選手の。あいつの膝が癖にならねぇようにしねェと。藤代みたく同じフィールドに立ちはしねェけど、隣で、分かり合える位置に。いいんだよ。俺と渋沢はサッカーだけの関係じゃない。サッカーだけでつくった仲じゃねぇんだから。
アレだな。渋沢が酸素なら、あのバカは二酸化炭素。量ばかり多い。
いつもいつも渋沢の側に寄って来やがって。空気の大半を占めやがる。問題ばっか起こしやがるから、気にすんだよ、あいつも。放っとけばいいってんのに。おかげですっげーうぜぇ。
寮に戻ったってなんやかんやって近づいて来やがるし。
寮のことは寮長に言えばいいだろうが。渋沢は関係ねぇっつーの。
あいつも弟みたいに懐いてくる奴だからって何やかやと甘やかしすぎだろ。しかも、お前のこと狙ってんだってのに。気付け。警戒しろ。
あー。ムカついてきた。
でも、ま。渋沢は俺の、だから。まぁ、いいか。少しくらい。
その分、充分に後悔するほど見せ付けてやるよ。
俺とあいつのアイダガラ。
俺にとっての空気は、そうだな。三上・・・藤代と笠井ってところかな。なんだかんだ言って俺たちは4人でいることが多いし。気がつけば、いつもっていうくらい一緒にいる気がするんだが(苦笑)。
この3人を分けてみなければいけないのかな。やはり…。
だとしたら酸素は三上だろうな。
まだ三年間、正確には経っていないが隣にいるのが当たり前すぎて他は考えられないな。
三上は。フィルターをかけないで俺を見てくれるから凄く楽をさせてもらっていると思う。キャプテンでいることが辛いわけじゃないが、偶には一個人でいたいと思う…のは我儘だろうか。
そうかもしれない。でも、三上は許してくれるから。それが当然のように「渋沢克朗」でいいから。逆にキャプテンだと怒られるぐらい、俺、の存在を見てくれるから。
自惚れていいなら渋沢克朗を三上は必要としてくれていると思えるから。
三上が、俺の酸素。俺はもう三上の傍じゃないと呼吸ができない。
依り掛かってる自覚はあるが…難しいな。治そうとしても。あまり頼りすぎても嫌がられそうで怖いな。それが怖いと思うほど依存しているのか、もしかして。
仕方ないことだと諦めてもらおうか(苦笑)。なにせ三上の傍が安心できるんだ。仕様がないよな。
でも、三上はプロにはならないかもな。あいつはしっかりしているから、もう確かな未来を見つめだしてる気がする。医者…かな。
それでも傍に、少なくとも近くにはいてくれるだろう。変わらずに。
次、藤代…か。二酸化炭素だな。元気がよすぎて問題を起こすのが困るな。
生きるのにおいて三上がいなきゃ無理だが二酸化炭素も必要だろう。植物に酸素をつくってもらうには。あいつのあの雰囲気で助かることもあるし。基本的には困らせられることが圧倒的なんだが。
笠井は窒素だろうな。空気にはなくてはならない。バランスが取れなくなるものな。笠井は窒素兼植物か。藤代の扱いが上手いし。時期キャプテンが藤代にしろ笠井にしろ苦労が絶えないんだろうな。
笠井にはすまないことを押し付ける気がする…。
俺の所為でもないが。
空気ねぇ。皆、でしょうに。一軍の。全員が空気の要素を一部づつ持ってる。
でも、強いて上げれば俺たち4人、キャプテンと三上先輩と誠二と俺の4人だろうな。辰巳先輩が植物で、俺たちの二酸化炭素を酸素にしなきゃいけないんだろうな。あの人もそこまで背負う苦労人にならなくてもいいだろうに。
キャプテンも苦労人だけど三上先輩がいるし、本人天然だし。自分のことなのに気付いてないけど。
ま、大丈夫でしょう。
誠二の問題は気が進まないけど、俺が何とかするか。これ以上キャプテンに迷惑をかけるのも、三上 先輩を怒らせるのもヤだし。
あぁ、面倒臭いな。でも、誠二をからかいつつやるか。単純だし、楽しまなくちゃ。
Fin
一人称でがーッと。「世にも奇妙な物語」1話目の「無視ゲーム」で、始めに空気みたいな存在ってル−ムメイトに言ってたのから。つい。こっちは悪い意味で言ってたけど。
あははー。笛!、初書きでした。
2003/05/22