ばかっぷる
鏡面の美人
それはある日の昼下がり。
「お前って綺麗だよな」
「へ?何言ってんの、新一の方が綺麗じゃないか」
「快斗だ」
「新一だってば。その蒼い眼なんて凄い綺麗だし」
「何だよ。だったら快斗の方が深い色して綺麗だろ。紫がかっててすげぇ綺麗」
「そんなことないって!だって新一の眼は真実を示せるんだよ。暗闇のなかから真実を。俺をその眼で見つけてくれたみたいに」
「快斗の強い意志を秘めた眼のほうがいい。何もかもから皆を守って一人ででも立っていられる。自分ひとりで背負って、誰も傷つけなかったお前の眼の方が絶対に綺麗だ」
「ひとりじゃなかったよ。新一がわかってくれてたじゃないか。
そだ。哀ちゃん、哀ちゃん。新一の方がぜっったい綺麗だよね!」
「貴方たち、泉に行って同じこと言ってきなさい。物言わぬ水仙になったら相手をしてあげてもいいわ」
「んだよ、灰原。俺はナルシストじゃねぇ」
「そーだよ。新一が綺麗だって言ってるのに」
「ばぁろ。快斗だって言ってんだろ。俺が快斗の方が綺麗だって言ってんだから快斗なんだよ!わかったか、このバ快斗!」
「しんいちぃ…」
(この人たち、自分たちが双子と疑われるほど似ていること忘れているのかしら。いいえ。周囲が言うほど似ていると思っていないのね。きっと。
それにしてもお互いをここまで一生懸命に褒めあうもの?あぁ、違うわね。コレは単なるばかっぷるなんだわ)
「そうね」
「そんな哀ちゃんまで。新一の方が綺麗だって言ってるのに」
「違うわ。黒羽君。貴方は可愛いのよ」
「へ?」
「お。いいな、灰原。それ」
「え。え?ちょ、ちょっと待ってよ。なにそれ?何で俺が可愛いの」
「可愛いだろ」
「どこが!?」
「そういう態度。あと、縋って啼くこととか?」
「…ッ、ばッ馬鹿!」
「そういうことは二人でベッドに居るときにして頂戴」
(あぁ、馬鹿馬鹿しい。何か盛ってやろうかしら)
Fin
講義の間に浮かんだかなりどうでもいい話。何でこんなの浮かんだんだろ。全然普通の授業だったのに。
御目汚し致しました。でも、楽しかったな、これ書いてるとき。
2003/05/29