聖戦を始めよう












 ぱんぱんぱん。手を叩いてイオンが注目を集める。ルークと“イオン”とアリエッタは首を傾げ、シンクはコレがこれから二人になるのかと若干遠い目になった。
「じゃあ、“イオン”に名前つけてくれる?ルーク」
 わけがわからないと言わんばかりに顔を顰めたルークに対し、そうだったと“イオン”はポンと手を合わせた。
「僕に名前をください。ルーク」


 足りない椅子はライディングデスクから引っ張り、いつものティーテーブルを囲む。マイペースな話に流され気味のルークはイオンと“イオン”をつい見比べてしまう。
 何だか“イオン”の性格が記憶と違っているような、と。
「僕はシリルを名乗ろうと思うんだ。最初は“イオン”に名前ごと譲るつもりだったんだけど、“イオン”も自分の名前が欲しいって言うから。いっそのこと『導師イオン』は導師をやってる時に使う名前にしようと思って」
 絶好調に始まったイオン節にルークは頷く。イオンの唐突だけれど、深い思考ののちに出てくる言葉にはさすがにもう慣れた。
「オリジナルがイオンの名を手放して自分の名前を決めたのが羨ましくて。僕も僕だけの名前が欲しいと言ってみたんです」
 オリジナルの代替品として精いっぱい生きた前回を否定するつもりはない。後悔ばかりの生だったが、なかったことにはしたくなかった。それでも憧れはあった。
「初めは自分でつけようかとも思ったんです。シンクみたいに。でも決まらなくて。オリジナルに頼もうと思って、貴方を知ったんです。ルーク。
 貴方のいる世界なら、僕の名前は貴方につけてもらいたい。ルークは僕の世界を照らしてくれた人だから。僕の光」
 その手を戴いて“イオン”は笑う。“イオン”が最後に遺した言葉がルークを死へと突き飛ばしてしまったけれど、“イオン”が望んだのはルークの幸せだった。数少なき同胞。
 一方ルークは相変わらずに捧げられる“イオン”の恥ずかしすぎるセリフに血が顔に集まるのが止められない。
 特別な。そう、本当の意味での特別な好きではないとわかっていても、直球すぎる言葉は恥ずかしすぎる。けれどそこに“イオン”という個を見つけて、うれしくなるのも本当なのだ。
 ルークは堪らなくなって、隣のシンクの指を握った。シンクがいて、イオンがいて、アリエッタがいて、“イオン”がいる。諦めなくてはいけなかったはずの命がすべていてくれる。ルークの名を呼んでくれる。
 強く握ったはずの手は解かれ、喪失感を覚える前に握りなおされる。指と指を絡めて。離れないように、しっかりと。てのひらから伝わってくる熱が、どうしようもなくいとしかった。
「フィリス」
「フィリス?」
 零れた言葉を“イオン”が聞き返す。
「フィリスね。いい名前じゃない?」
「”倖せ満つる”か。さしずめ今の僕らだね」
 シンクとイオンが感想を続け、アリエッタはにっこり笑う。
 口の中で転がし、“イオン”もふんわり笑う。
「ありがとうございます、ルーク」
 貴方に会えて、よかった。





幸いと言祝ぐ N→






 イオンたちの命名。どっちかを改名する予定だったんですが(初期はイオンがフィリスで“イオン”に譲る)、いっそイオンは仕事名にしようとなりました。シリルは新たな旅路とか。
 シンルク書きたいで始めたこの話、気がつけばオリイオ様が喰ってるという。ごめんね。シンク。オリイオ様に勝てないのは君ならわかってくれると思う。でも基本シンルクだから。オリイオ様はアリエッタ大事にしてるし。問題は“イオン”ですな。彼からほのかに香る黒いものが。オリイオ様に教育されちゃうから仕方がないんだ。やっぱりシンルク前提の(緑っ子+アリエッタ)×ルークでいいと思う。愛されルーク。
 書きたいの書いたのでとりあえず終了。本編は考えてない。というより本編始まらないと思う。ルークは親バカファブレ(家人含む−ガイ)に守られて飛ばないし、イオンは手続き踏めと大佐追いだすので。
 アッシュ救済はたぶんない。私が嫌いだから。探して見つけて様子見で切り捨てルートかな。再教育になっても救済かはあやしい。だってちゃんと教育受けてたくせに行動まず過ぎるよアッシュ。
 アニスはシンクもオリイオ様も関心なし。スパイやったらモースごと潰す気。普通に軍法で処分。“イオン”もルークを罵り続けたくせに自分だけタルタロスとか諸々許されるし許されて当然と思ってるので見放してる。相談してきたら考えてもいい。
 ガイはファブレでハブられてるので救われないまま。実はペールはルークが戻ってしばらくして夫人に全部告白してる。その後からガイに復讐を止めるよう言ってる。
 夫妻は上記に書いたけどルーク馬鹿に。だってかわいい。オリイオ様たちとルークを幸せにするべく奮闘。
 インゴとナタリアはそのまま。キムラスカはもう、クーデター起こすからいいやと放置。真っ当な政治家たちがファブレ中心に政治やってる。だって、預言預言で話聞かなすぎる。いっそダアトに信者として逝ってしまえと思われてる。偽王女はさりげなく音素調べたので王族の血をひいてないことは知られてる。
 申し訳ないけど、フローリアンは生まれてない。オリイオ様一人しか作らないと言ったし。そもそもシンクの意識にいないからオリイオ様は知らない。基本レプリカは幸せに生きるのが難しいからそれでいいと思う。




13/01/28
14/06/20