7年越しのI love you






虹の上から小鳥の声が






 コンコンコン。
 喜びに溢れた、逸る心そのままのようなそんな軽快なノックが生徒会のドアを叩く。
 ミレイが溜めこんだ書類に追われていた生徒会の面々が眉を寄せ、原因たる当の本人が忙しい時にといわんばかりの調子で入室を許可する。
「おや、忙しそうだね」
 ドアの開く音に顔を上げたメンバーは見知らぬ大人に不審げな表情を作り、聞こえた声のほうで会長と副会長のトップ2がはじかれたように顔を上げた。
「あ…」
 空気が漏れるようなルルーシュの声にミレイはルルーシュに顔を向ける。冷厳さを身につけつつある美貌は驚きに変わり、見開いた紫電の眸から歓喜が染まる。
 常になくカタリ、と音を立てて椅子から立ったルルーシュに今度は仲間たちの目が行く。はくり、と声もなく、一度開閉した言葉に返すように、オデュッセウスは柔和な顔立ちをよりやさしく溶かした。
「ルルーシュ」
「異母兄上!」
 呼ばれた名に呼び返し、ルルーシュは数歩の距離すらもどかしげに走り、抱擁を求めたオデュッセウスへ強く抱きついた。
「遅くなった。7年も待たせてしまったね。ルルーシュ」
 ぎゅうと、そこにここに、腕の中にルルーシュが確かにいるのだと実感して、お前のうつくしいかんばせを見せてくれないか、と頼む。
 艶やかな黒髪を梳き、涙で潤んだロイヤル・パープルの目元を辿り、額にくちびるを寄せて、オデュッセウスは胸元へ守るようにルルーシュを抱きなおした。
 突然の椿事にぽかんと入り口付近の兄弟らしいルルーシュたちのやり取りを見守る仲間たちのことなど、今のルルーシュの頭にはない。占めるのは約束を果たしてくれた最愛の兄のことだけだ。
「遅くなどありません。異母兄上はこうして迎えに来てくださいました」
 ご高名はエリアにも伝わっております。俺の為に苦節の道を選んでくださり、ありがとうございます。俺はしあわせです。
 胸元で響くルルーシュの声にお前の為なら苦労などではないよ、と返してその場にいる生徒たちを抜けてオデュッセウスは真直ぐに立つミレイへ視線を合わせた。
「この子を守ってくれて、ありがとう。ミレイ・アッシュフォード嬢」
 凡庸と称されていた笑顔ごと向けられて、ミレイはうつくしく一礼する。
「いいえ。ルルーシュ様をお守りすることが我がアッシュフォードの誇り。恐れ多いことにございます」
 それにひとつ頷き返し、オデュッセウスはルルーシュの頬を両手でやさしく包み顔を上げさせる。夢にまで見たその紫電に己が映る歓喜そのままにオデュッセウスは顔を寄せる。
「これからは私もお前を守るよ。だから私の傍にいておくれ」
 あいしているよ。私のルルーシュ。





                        Fin
 兄弟がどっぷり世界に入ってしまったので、きっとミレイが説明してます。リヴァルとシャーリーとニーナ。ルルーシュの味方になってくれるだろう人たち。
 ルルはこの後オデュにーにの後見を得て皇籍復帰します。アッシュフォードも爵位を得てルルの後見として本国主体となります。
 宰相はシュナ。オデュは枢機卿。立場は枢機卿が上です。宰相は皇帝によっては権力削がれるしね。ちなみにオデュにーにの顔は立場がら一般には知られてません。ので適応させるべき場以外では猊下の尊称は使いません。




12/01/20