That's All






That's All






  お前が望みだ。
  お前の幸せが望みだ。
  お前が幸せに生きていくのが望みだ。
  その為になら、私は、私たちは何度でも願おう。
  何度でも変えよう。何度でも繰り返そう。
  何度でも、何度でも、何度でも何度でも何度でも。
  お前の未来あしたを。
  お前の幸せを。

  我が共犯者。我が魔王。
  お前が私の願いを叶えると、そう示してくれたときから。
  私はお前の魔女。お前の願いを叶える魔女。


「もう一つお願いが」
 席に戻ったシュナイゼルにルルーシュはそう控えめに申し出る。その際にはさっきまでルルーシュにべったりだったロイドも元の位置に戻っていた。
「改めて、どうしたんだい」
 愛しい異母弟の願いならば一つと云わず叶えるつもりの帝国宰相は、にこやかに答えた。ルルーシュが願うならどんな願いでもシュナイゼルは叶えるつもりだ。
 それができる。幸せだ。
「クロヴィス異母兄さんが極秘研究に捕えている少女…少女?ええ、まぁ、ライトグリーンの髪の少女を助けたいんです。
 シュナイゼル異母兄上がいえばクロヴィス異母兄さんも断れないと思うので」
 少しばかり困ったような表情で告げられた内容にシュナイゼルは首を傾げる。皇室から隠れていたルルーシュがクロヴィスの極秘の研究を知っているのも不自然だが、それ以上に人体実験に通じていそうな言葉が不穏当に不愉快だ。
 だが、今大事なのはそこではない。
「それは勿論。お前が望むなら助けよう。だが、その少女はきみの何なのかな」
 シュナイゼルのその当然の問いにルルーシュは少しばかり黙った。その逡巡の理由を思い浮かべる前に出されたルルーシュの答えは、想像できるどのものとも違い、難解だった。
「あいつは魔女です。魔女で俺の共犯者。けれど、今こうして異母兄上やロイドと共にいられるのはきっとあいつのおかげだから」
 だから俺もあいつを助けるべきでしょう。
 そして、ルルーシュは困ったような笑みを浮かべる。それはかつてシュナイゼルにとって見慣れたものだった。ルルーシュが妹たちへ向けたうれしさと困惑を絶妙にブレンドさせた、やさしい微笑だ。彼の内側へと与えられるものだ。
 故にシュナイゼルは、未だ残る疑問のすべてを一時忘れることにした。いいと思えばルルーシュから話してくれると信じている。





                        Fin
 C.C.までいかなかった。というより、なんとなくきりがいいのでここで。




11/06/25
13/04/08