遅咲きの桜
遅咲きの桜
念願の再会が叶った後、ロイドが口にした言葉にルルーシュは眉を寄せた。それは不快や怒りといったものではなく、怯えや哀しみに近い。
「大丈夫です」
だからこそロイドは安心させるように微笑み、その今はまだやわらかみをもつ頬に手を添わせる。カコとなった未来、漸く叶った再会のとき、彼はいろんなもの失いすぎていた。
自分という存在の意義も意味も、許しも憎しみも、命も。未来を望むことも。
「これは不本意ながらあの人の学友として一番側にいることになった僕が断言します。あの人はあなたの味方で、あなたを愛している。何よりも、いちばん。
あの人がああなったのはあなたが死んだとされた後です。今なら。今、あなたがいると知ればあの人は容易くこちらに戻りますよ」
最愛の異母兄であったからこそ、ロイドの言葉が真実であればいいと思うのに、信じられないルルーシュを愛しさと哀しさで以って抱きしめる。そして、ルルーシュをこうした者には憎悪を。怨嗟を。
「あなたが白兜と呼んだのはランスロットです。国を裏切り、ただ一人のものである騎士。あれは僕自身で、あれを作ったのは僕で、それはいいと資金を出したのがあの人です。ルルーシュ様。
あなただけを守るものを。あなただけを守りたいという僕とあの人の意思です」
あのどうしようもなく優秀で、ばかな男を信じてあげてくださいとロイドは言った。
「また昔のように3人でお茶会をしましょう。
僕らが望んだのはそんなものだったんです」
震える手で、確かにあった約束を抱きしめて、ルルーシュは笑った。