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8月20日(金)
「一馬ぁ、ちょっと来い」
選抜の練習後、結人が一馬を手招きして呼んだ。
横には英士もいる。
「なんだよ」
「今日、お前誕生日だろ?英士と俺から誕生日プレゼント」
「え?マジ?」
ぱあっと表情を明るくした一馬に英士と結人は顔を近づける。
「HAPPY BIRTHDAY!」
「おめでとう」
「っ!」
二人は一馬の両方の頬にそれぞれキスをした。
「愛が籠もってるだろ?」
結人が人懐っこい笑みを浮かべた。
英士の視線も表情も柔らかい。
一馬は顔を真っ赤にしてうつむき、「さんきゅ」と小さな声で呟いた。
そんな微笑ましい場面に、凍てつくような視線が一条…
「郭くんたちってホント仲良いよね」
更衣室に英士が着くなり、多紀は英士に向かって言った。
「真田くんへの誕生日プレゼントが愛だなんてさ」
「…見てたのか?」
「うん、一部始終。ひどいなあ、僕に気付かないくらい真田くんに愛を注いでたんだ」
そうじゃないだろ、と心の中で叫び、色々言い訳も考えてみるが、
どんな言い訳も結局、多紀に言いくるめられるのだろうと考え、英士は諦めたように口を開く。
「年に一回だし、一馬だし、別にあれくらい…」
あれくらい、と言った直後の多紀の笑みを見て英士はもの凄く後悔した。
「あ、そう。英士にとって“あれくらい”なんだ」
「いや、今のは言葉のアヤで」
「“あれくらい”なら英士は許してくれるんだ。ふーん、わかった」
「だから」
もはや多紀は英士の言うことなど聞く耳を持たず、完全無視。
「カザくん、小岩くん、不破くん。27日、ヒマ?」
「ヒマだけど、なんで?」
「27日ね、スガさんの誕生日なんだ」
多紀の一言に、英士は夏だというのに凍り付きそうになる。
「だから、みんなでお祝いフットサルやりに行かない?」
「行くー!」
風祭と小岩は二つ返事で頷く。
「不破くんは?」
「行ってもいいぞ。しかし毎年のことながら何故人は誕生日を祝いたがるのだろうか」
「そんなの決まってるじゃないか。“年に一回”の特別な日だからだよv」
にっこりと笑顔で言う多紀。頭痛と激しい不安に襲われる英士。
「あ、スガさん?杉原ですけど、27日、いつものみんなでフットサルしませんか?」
『うん、行く〜。タッキーが誘ってくれるなんて嬉しいなーv』
…決戦は8月27日(金)
★あとがき★
というわけで地雷3作品目です。
以前、書いたものにちょっと加筆。
今年もそうだけど、1999年も8月20日は金曜日でした(ちゃんと調べた)
一馬への誕生日プレゼントは『タッチ』のCM前のアイキャッチャーを思い浮かべてください…