As you like
僕の両親は共働き。
飛行機のパイロットとフライトアテンダントという職業柄、世界中を飛び回っているので家にいることは珍しい。
僕の誕生日である今日でさえ、仕事で帰ってこられない。
それは今年に限ったことではない。
何年かそういう年があった。
でも、毎年、両親はプレゼントをくれるし、友達も祝福してくれるし、寂しくはない。
そもそも誕生日というのは死期に一歩近づいただけのことで、むしろ祝うべき日ではないかもしれない。
それでも、特別な今日はアイツに逢いたかった。
別に祝って欲しいと言ったわけでもないし、アイツが僕の誕生日を知っているのかどうかさえ謎だ。
知っていたとしても今日逢う約束なんかしていない。
…例えば、もし僕が電話で『逢いたい』なんて言っても、来てくれなさそうだし。
なんて詮無いことを考えながら帰り、家の前まで来て僕は目を疑った。
「英士…?」
独り言のように呟くとアイツは顔を上げた。
夕日に照らされて黒髪が艶を放つ。
「ああ、お帰り。」
澄んだ声が返ってくる。
「どうして、ここに?」
僕が言うと英士は呆れたような表情で僕を見下ろして言った。
「今日、多紀の誕生日でしょ。」
………心臓が大きく鳴った。
「はい、これ。」
そう言って、三省堂の紙袋を手渡す。
誕生日プレゼントにしては色気の欠片もない紙袋。
「開けていい?」
「どうぞ。」
袋の中身は僕の好きな作家の最新刊。前から楽しみにしていた明日発売の本。
「どうして…」
「予約してたから今日手に入った。」
その“どうして”ではなくて。
「どうして僕がこの本が欲しいって知ってたの?」
「あれだけ前から騒いでたんだから当然。
暗に買ってくれって言ってるのかと思ったけど。」
英士は半ば憮然として答えた。
その言い方が本当に英士っぽくて
気にかけていてくれたことも嬉しくて
僕は自然と笑みが浮かんできた。
「ありがとう」
「やけに素直だね。」
「誕生日だし」
僕がそう言うと、珍しく英士はにっこりと笑んで、キスを落としてくれた。
★あとがき★
“10月1日は101の日”と夏依さんは仰るでしょうが
あえて(私にとっては当然だけど!←笑)タッキー誕生日記念818小説を送りつけます。
英士は雑司ヶ谷に住んでるので、本には困らないでしょう。
題名の意味は“お気に召すまま”
深い意味はありません。シャディーのCM見て思いついただけ(爆)
ありがとう。悠姫嬢v
滅茶苦茶幸せ。
お珍しく(失礼)英士がクールビューティーのままですね。
英士もたっきーも素敵さん。私じゃこうはいかないな。愛の差ですか?
きっと英士はこのままお泊りね。次の日も学校あるけど。とか思いつつ。
素敵話をありがとう。アップ遅れてごめんなさい。