自分には決して縁のないものだと思っていた。
家族だとか、団欒だなんて。
Meine liebe Familie
こっちに来てから1年が過ぎた。
最初は片言だったドイツ語も、今では簡単な日常会話程度なら話せるようになった。
もともと人付き合いが苦手な俺だが、学校にもどうにか慣れつつある。
むこうでは異端だった俺の容姿もこちらでは目立たない。
ドイツは移民が多いから、髪の色・瞳の色など本当に千差万別で、コスモポリタンとはよく言ったものだ。
「ただいま」
「おかえりなさい!」
家に入るなり、イリオンが元気よく走り寄って、抱きついてくる。
俺が顔のあたりまで抱きあげてやると、本当に嬉しそうに笑って
「おかえりなさい」
ともう一度言って、俺の頬にキスを落とした。
「ただいま」
返事と一緒に俺もキスを返す。
いちばん最初のカルチャーショック。
挨拶代わりにキスをするというのは(いくら頬とは言え)未だに慣れない。
最近、身内に対してはどうにか慣れたが。
「ただいま」
「あら、おかえりなさい。」
イリオンをだっこしたままキッチンに行くと、母さんは、もう夕飯の準備をしているところだった。
「あと30分もしたらできるから、とりあえず荷物を二階において、着替えてきなさい。」
「はい」
「あ、ごめんなさい、お兄ちゃん。疲れてるのに」
「気にするな」
イリオンを床に降ろして、彼女の頭を撫でてから、二階の自分の部屋に向かう。
家に帰ると『おかえり』と言ってくれる人がいることが、こんなに幸せなことだなんて、思いもしなかった。
家族で食べる食事が、母親が作ってくれる食事が、あんなに美味しいものだなんて、思いもしなかった。
<おまけ>
「ね、お兄ちゃん、今度はいつショウのところに行くの?」
「いつでも平気だが…なんでだ?」
「ショウに会いたくなったの。」
「…」
「ショウと遊ぶと、すごく元気になれるの。元気を分けてもらえるって感じがするのよね。」
(風祭か……。まあ、アイツなら平気か。鈍そうだし)
兄の悩みが一つ増える。
★あとがき★
ワハハハ。やってしまいました。マイラバー・天城の話。
可愛い義妹が書きたかったのです。
天将はどーしても書けず、こんな爽やかなものができあがりました。
やはり私の燎一坊ちゃまへの愛は清く正しいものだったんだわ、と再確認(爆)
題名はドイツ語で「私の愛する家族」。まんまです。
こういう時のために学校でドイツ語を習ってるのよv
返事
う、わーい。ありがとうvv
もう、いいよ。いいですよ!かわいいなぁ。
すごく幸せです。うちにはなかなか顔を出してくれない人だからね。
天将は自力生産がんばってみます。いつか。